太陽光発電投資は中古が得な理由と購入の際確認するべきポイント

太陽光発電投資は中古が得な理由と購入の際確認するべきポイント

中古の太陽光発電所(セカンダリー)が注目を集めています。
新規案件よりも有利な条件で投資できるチャンスがあり、条例や実績も結果がでているため、スムーズに運用をスタートできる点が魅力です。

一方で、設備の状態や契約内容を十分に確認せずに購入すると、思わぬトラブルや想定外のコストが発生する可能性もあります。

本記事では、「どうやってセカンダリーを賢く選ぶか」「購入前に確認すべきポイント」「運用時に押さえるべきリスク管理」まで、わかりやすく解説します。
セカンダリー投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1. なぜ、中古売買の太陽光発電投資が「得」なのか

なぜ、中古売買の太陽光発電投資が「得」なのか

セカンダリー投資が注目されるのは、確かなメリットがあるからです。
その理由は、次の3つにまとめられます。

・稼働済みで短期間で売電開始可能

新しく太陽光発電所を建設する場合、まず土地探しから始め、各種法規制に基づく許認可手続き、電力会社との接続契約、さらに建設工事と段階を踏む必要があります。
これらの手続きをすべて完了させ、実際に売電収入が得られるまでには、早くても数か月、場合によっては1年以上かかることがあります。
さらに、建設中には工事の遅延や地中埋設物の発見など、予期せぬトラブルや追加費用が発生するリスクもあります。

一方、中古太陽光発電所はすでに稼働しており、こうした手続きやリスクが大幅に軽減されます。
売買契約と名義変更が完了すれば、数か月以内に安定した売電収入が入り始めるため、キャッシュフローの確保や投資回収のスピードアップに直結します。

・中古売買市場で手に入る全量売電

2020年のFIT制度改正により、10kW以上50kW未満の低圧案件では、発電した電気をすべて電力会社に売る「全量売電」が原則できなくなりました。(エネルギー庁

現在、新規で低圧太陽光を始める場合は、発電量の一部を自家消費するなどの地域活用要件を満たす必要があり、投資目的での参入は難しくなっています。

・リアルな発電実績で投資リスクを低減

新築の太陽光発電所の収支計画は、あくまでメーカーや販売会社が作成した発電シミュレーションに基づいています。
これにより「年間でこれくらい発電するはず」という収益予測を立てられますが、実際にはいくつかの要因でシミュレーション通りにはいかないことがあります。

例えば、設置場所の方位や角度、周囲の建物や樹木による影の影響、さらには雨や曇りの日数、パネル表面の汚れなどが、発電効率に大きく影響します。
過去の実績データがないため、この「予測と実績のギャップ」がそのまま投資リスクとなることがあります。

一方、中古売買される太陽光発電所には、数年分の「リアルな発電実績」が存在します。
電力会社から毎月届く売電明細や、遠隔監視システムのデータを確認することで、実際の発電量や収益を正確に把握できます。
過去のデータを見ることで、シミュレーションだけでは見えない現実の発電パターンを把握できるのです。

さらに、過去の実績を確認することで、設備の劣化状況やパネル・パワコンの性能低下の傾向も読み取れます。
これにより、将来の維持費や修繕コストの予測が立てやすくなり、投資計画の精度を高めることが可能です。
また、実績データに基づく収支予測は、シミュレーションと比べて「思ったほど発電しなかった…」という失敗のリスクを大幅に低減できます。

2. 購入前の必須チェックポイント

太陽光発電所の中古売買はメリットだらけに見えますが、もちろん良いことばかりではありません。
ここでは、優良なセカンダリーを見極め、後悔しない太陽光投資を実現するために、購入前に必ずチェックすべきポイントを解説します。

書類を隅々まで確認しよう

セカンダリーを購入する際は、書類を隅々まで確認することが鉄則です。

・事業計画認定通知書

経済産業省が発行する、FIT(固定価格買取制度)で売電を行うための正式な認定書類です。
パネルのメーカーや枚数、パワコンの型番などが記載されており、実際の設備と内容が一致しているか必ず確認しましょう。
実際の設備内容と異なる場合、認定が取り消されたり、売電価格が引き下げられる可能性があります。

チェック項目 確認内容
設備情報 パネルメーカー・型式・枚数、パワーコンディショナの型番・台数が実際の設備と一致しているか
設置場所 認定書に記載された住所・地番が実際の設置場所と同じか
認定日・認定区分 FIT or FIPの区分、認定年月日が正しいか(古い認定は高単価の可能性あり)
売電単価(FIT価格) 「○○円/kWh」と記載の単価が電力会社との契約内容と一致しているか
事業者情報 名義変更(売買・譲渡など)があった場合、事業者名が最新になっているか
有効期限・変更履歴 設備変更時(パネル交換・容量変更など)に「変更認定」や「軽微変更届」が出されているか
・電力会社との接続契約書

売電価格や出力制御の条件などが記載されています。
特に、出力制御がある場合は出力制御が無制限にかかるルールか、年間の上限があるルールかを確認することは不可欠です。

無制限に止められる場合は、その分売電量が減り収益も下がります。
契約書を確認して、どのくらい発電できるのか、収入にどんな影響があるのかを把握することが重要です。

・土地の権利関係書類

土地の権利関係書類は必ず確認しましょう。
土地が自己所有か借地かを確認し、借地の場合は契約期間がFITの残存期間をカバーしているか、地代は妥当かなどをチェックすることが重要です。

さらに、土地に地上権が設定されているかも確認しておきましょう。
地上権が設定されていれば、契約期間中は土地利用が保護されるため、発電事業の安定性が高まります。 契約に問題があると、途中で契約が切れたり地代が高くなったりして、発電しても思った収益が得られなくなるリスクがあります。

・保証書・メンテナンス履歴

パネルやパワコンのメーカー保証が継承できるかを確認します。
また、これまでの定期点検の記録や修繕履歴があれば、その発電所がどのように管理されてきたかを知る手がかりになります。

現地と設備を自分の目で確かめる

セカンダリーを購入する際、書類や資料だけでは設備の状態を完全には把握できません。
思わぬ故障や環境リスクを避けるためにも、現地に足を運び、自分の目で立地や設備の状態を確認することが重要です。

・立地と周辺環境

日当たりが良好で、パネルに影を落とす建物や樹木がないかをチェックしましょう。
将来的に高い建物が建つ予定があるか、自治体の都市計画情報を調べておくとより安心です。

また、大雨や土砂災害、がけ崩れなどのリスクがないかも重要なポイントです。
ハザードマップや周囲の地形を確認し、リスクの高い場所を避けることが長期的な安定収益につながります。

・太陽光パネル

太陽光パネルは表面にひび割れや変色、目立つ汚れがないかを入念に確認しましょう。
汚れやひび割れは発電効率に影響するため、可能であれば赤外線カメラによる検査で「ホットスポット」と呼ばれる異常発熱箇所がないかも確認するのが理想です。

また、パネル表面に「スネイルトレイル」と呼ばれる薄い線状の変色がないかもチェックしましょう。
スネイルトレイルはパネル内部の微小な劣化を示す兆候で、放置すると発電効率の低下につながる可能性があります。

さらに、パネルの設置角度や向きも長期的な発電量に大きく影響するため、確認しておくことが重要です。

・パワーコンディショナー

太陽光パネルで作られた直流電気を交流電気に変換する装置で、発電所の心臓部にあたります。
寿命は一般的に10~15年程度で、交換には高額な費用がかかるため、設置からの経過年数や異音、エラー表示の有無を必ず確認してください。
遠隔監視システムがある場合は、過去の稼働記録をチェックすることで、隠れた不具合を見つける手がかりになります。

・架台と基礎

パネルを支える架台にサビや歪みがないか、基礎コンクリートにひび割れがないかを確認しましょう。
架台や基礎の劣化は長期的にパネルの耐久性や発電効率に影響するため、特に風や雪の影響を受けやすい立地では慎重にチェックすることが求められます。

・雑草対策

敷地内の雑草がパネルに影を落とすと発電量が低下します。
防草シートがしっかり敷かれているか、定期的に除草されているかを確認しましょう。
雑草管理の状況は、維持管理コストを把握する上でも重要です。

「実質利回り」を見極める

販売業者が提示する「表面利回り」は、年間の売電収入を物件購入価格で割った比率で示される指標です。
しかし、実際の太陽光発電事業には様々な経費がかかります。
より現実的な収益性を判断するためには、これらのコストを差し引いた「実質利回り」を自分で計算することが不可欠です。

実質利回りの計算式

( 年間売電収入 - 年間経費 )÷ 物件購入価格 ×100= 実質利回り (%)
年間経費に含めるもの
メンテナンス費用(パワコン交換積立金含む)
固定資産税
保険料(火災、盗難、自然災害など)
土地の賃料(借地の場合)
遠隔監視システムの通信費など

また、パネルの出力は経年劣化で年に0.5%~1.0%程度低下することも考慮に入れましょう。
出力制御が頻繁に発生するエリアでは、その分の発電ロスも見込んでおく必要があります。

こうしたリアルな数字を積み上げて、本当に「儲かる」太陽光発電所なのかを見極めましょう。

3. なぜ売主は売却するのか?

なぜ売主は売却するのか?

「こんなに儲かる太陽光発電所を、なぜ手放すんだろう?」と疑問に思うのは当然です。
売却理由は様々ですが、主に以下のようなケースが挙げられます。

・ 設備の老朽化・更新費用の発生

設置から10年前後経過すると、パワーコンディショナーなど高額機器の交換時期を迎えます。
保証が切れていると交換に数十万単位の費用がかかるため、「修繕前に売却して利益を確定させたい」と考えるオーナーが増えています。

・出力制御や運用コストの増加

近年は出力制御(発電しても売電できない時間帯)を採用する電力会社が全国的に広がり、収益が不安定になっています。
さらに、除草費や保険料、メンテナンス費用なども上昇傾向にあり、「この先の利回りが読みにくい」と判断して売却するケースです。

・減価償却・節税メリットの終了

法人・個人事業主ともに、太陽光は節税効果が高い投資対象ですが、減価償却期間が終了すると節税メリットがなくなります。
そこで、新たな投資資金を作るために、発電所を売却して資産を入れ替えるケースが目立ちます。、資産の入れ替えや現金化を目的に売却する動きも目立ちます。

・相続・高齢化などオーナーの事情

オーナーの高齢化や相続発生をきっかけに、管理を引き継げない・関心を持つ後継者がいないという理由で売却するケースがあります。
遠方の発電所では除草や点検などの現地対応が負担となり、「維持するより現金化して整理したい」と考える方も少なくありません。

・借入金の返済・資金繰りの見直し

太陽光発電所をローンで購入している場合、事業資金の確保や返済計画の見直しを目的に売却することがあります。
安定した収益を生む太陽光は換金性の高い資産でもあるため、他の投資や事業に資金を振り向けるために手放すケースです。

もちろん、「思ったより発電しなかった」「出力制御で収益が減った」といったネガティブな理由で売却されるケースもあります。
可能であれば、仲介業者を通じて売り主の売却理由を確認し、物件に潜在的な問題がないかを探ることも重要です。

4. 運用時に押さえるべきリスク管理

セカンダリーを購入したあとも、安定した収益を維持するためには「運用段階でのリスク管理」が欠かせません。

どれだけ条件の良い物件を選んでも、日々の管理を怠れば、発電量の低下や予期せぬトラブルによって利回りを大きく損なう可能性があります。
ここでは、運用時に特に注意すべき4つのポイントを紹介します。

・定期メンテナンス(パワコン点検、パネル洗浄)を計画的に実施

太陽光発電所は「メンテナンスフリー」と思われがちですが、実際には定期的な点検が欠かせません。
特に、パワーコンディショナー(パワコン)は寿命が10~15年といわれ、内部のファンや基板の劣化が進むと効率が低下します。
定期的な点検やフィルター清掃を行い、必要に応じて交換時期を見極めることが重要です。

また、パネル表面に付着する汚れや鳥のフン、黄砂などは、発電効率を数%単位で下げることがあります。
定期的にメンテナンスを実施することで、長期的に安定した発電量を維持できます。

・雑草・環境管理を怠らない

特に低圧の地上設置型発電所では、雑草の繁茂によって発電量の低下や設備故障が発生しやすくなります。
雑草がパネルの影を作ると、部分的な発電停止(ホットスポットの誘発)につながるほか、機器の通気性が悪化して寿命を縮める原因にもなります。

また、雑草が繁茂すると害虫・小動物の巣作りによる配線被害も増えます。
除草剤の使用や防草シートの敷設、定期的な草刈りを行い、敷地環境を清潔に保つことが重要です。

・運用コストを把握し、キャッシュフローを最適化

セカンダリーでは、固定資産税・保険料・遠隔監視システムの通信費など、毎年発生する運用コストを正確に把握しておくことが重要です。
特に自然災害による設備損傷は保険でカバーできる場合が多いため、補償内容と免責条件を定期的に見直しておきましょう。

また、メンテナンス業者や保険会社を複数比較し、コストパフォーマンスの高い契約を選ぶことで、実質利回りをさらに改善することが可能です。

・FIT終了後を見据えた運用計画

FIT(固定価格買取制度)の終了後も、太陽光発電所は資産として活用できます。

FIT期間が満了しても、電力会社や企業との相対契約(PPA)や、自家消費モデルへの転換によって、発電した電力を引き続き収益化することが可能です。
特に、FIT終了を迎えるセカンダリーでは、どのような運用モデルに移行するかを早めに検討しておくことが大切です。

  • 企業や自治体への直接販売(PPA)
  • 自社施設での電力利用による電気代削減
  • 蓄電池との併用によるピークシフト運用

といった選択肢を視野に入れておくことで、FIT終了後も安定した収益を維持できます。

5. まとめ

まとめ
  • 低圧案件でも全量売電が可能な設備を入手できる
  • 過去の実績データを基に、現実的で精度の高い収支計画が立てられる。
  • 購入前に書類・設備・収支を確認し、リスクを可視化できる
  • 購入後は定期メンテナンスで適切に管理・運営。

セカンダリーが「得」と言われる理由は、すでに稼働している発電所を購入することで、短期間で安定した売電収入を得られる点にあります。

新築に比べ手続きや完工リスクが少なく、低圧でも全量売電が可能な設備を手に入れられることも、大きな魅力です。

さらに、過去の発電実績を確認できるため、収益や設備の劣化状況を正確に把握でき、投資リスクを大幅に低減することが可能です。
これにより、より現実的な収益計画を立てやすく、投資回収のスピードも早まります。

一方で、書類や現地での確認、運用コストやメンテナンスの管理は欠かせません。
売却理由や潜在的リスクを把握し、FIT終了後の運用方法も検討することで、長期的に安定した収益を維持できます。

こうしたポイントを押さえることで、セカンダリーは効率的かつ安心に収益を得られる有力な投資対象となります。

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